ジョグナ・アガルタ

婚約者(♂)と別れ、元カノ(♀)と復縁しました。
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ヤキモチ・ハニー
実は観劇が好きだったりするワタクシ。
生歌や生オケにめっぽう弱いワタクシ。
地元に西本智実がやってくるということで、これは是非見に行かねばと意気込んでいた。
しかしせっかくの休みの日に一人で行くのも何だかなということで、ハニーを誘うことにした。
(※西本智実=女性指揮者。世界が尊敬する日本人100人に選ばれている)


私:「ねぇねぇハニー。クラシック聴きに行かない?」

ハ:「は? なんで急にクラシック?」

私:「西本智実って指揮者がいるんだけどね、その人が来るの」

ハ:「ふ~ん。その人が好きなの?」

私:「うん! すごい素敵な指揮する人でね、一回生で聴いてみたかったの!」

この『素敵』が地雷だったらしい・・・・・・

ハ:「ヤダ」

私:「は?」

ハ:「他の奴にうっとりしてるネロなんて見たくない!」

私:「うっとりって(苦笑)。演奏聴きに行くんだよ?」

ハ:「ヤダ!」

はい、こうなるともう聞く耳持ちません。
あきらめましたよ、コンサート。
まぁ、彼女のコンサートはどこの会場もプラチナ・チケットになってるから手に入るかも怪しかったんだけど。

数日後、

ハ:「ねぇ、この前言ってたクラシック? 行くの?」

私:「行かないよ~」

ハ:「なんで? 行きたかったんじゃないの?」

私:「うっとりしてる私、嫌なんでしょ?」

ハ:「・・・・・・うん」

ぎゅっと抱きついてきたハニーの背中を私はよしよしと撫でた。

私の携帯の待受画面が『キャサリン・メーニッヒ』になってるってバレたらどうなることやら。
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マリッジ・ブルー (復活愛 2)
タケルは優しい。
裏を返せば優柔不断の私任せ。年下なので甘えもあるのだろう。
デート内容も食事もほとんど私が決めていた。
結婚の話となれば少しはしっかりするかと思ったがあいかわらずだった。

私:「ねぇ、結婚式はいつ頃にする?」

タ:「いつがいい?」

私:「式場はどこがいいかな?」

タ:「どこがいい?」

私:「結納とかどうする?」

タ:「よく分からないから任せる」

私:「少しはちゃんと考えてよ!」

タ:「だって分からないもん!」

私:「同僚に聞いたりネットで調べたりできるでしょう!?」

タ:「だって仕事忙しくて・・・・・・」

私:「・・・・・・」

タ:「・・・・・・わかった、調べる。ごめんなさい」

言えばしてくれる。言わないとしてくれない。
結婚の話は全く未知の領域でどこから手をつけたらいいのか分からないのかもしれない。

でも、それは私も同じこと。

タ:「まかせっきりでごめんね?」

私:「・・・・・・いいよ。けどちゃんと結納の事とか調べてね」

タ:「わかった」

『二人のことなのに、私にまかせっきりで彼が何もしてくれないんです!』
よくある話だ。
うちもご多聞にもれず、同じことをやっている。

本当にこのまま結婚していいのだろうか。

最近よく思う。
でも、

一緒にいると楽。金銭感覚も直ってきた。子供も欲しい。親も安心させたい。

なにより、他の人との結婚が想像できない。

結婚するならタケルと。
でも迷っているのも確か。
迷うと必ず思い出す人がいた。

ハニー。

私の人生で、初めて付き合った人。

だからだろうか、他の恋人達の記憶は薄れてもハニーのことはよく憶えている。
誰と付き合っても心のどこかにハニーはいた。
もっと綺麗に別れていたら忘れられたのかもしれない。
けれど別れ方はとても一方的であやふやで。
そのせいで別れを受け入れられないまま引き摺ってきた。
こんな気持ちのまま結婚するのも罪悪感があった。

ハニーと会いたい。

そして、気持ちにけじめをつけたい。

日を追うごとにその思いは強くなっていった。
同性とはいえ相手は元恋人。
タケルは嫌がるだろう。
それに会うにはヒトミに協力してもらわなくてはいけない。
その二つの足枷が、私を引き止めていた。
結婚と不満と (復活愛1)
テーブルを挟んで老夫婦が笑っている。
隣に座った珍しくスーツを着ているタケルも笑っている。
私は、うまく笑えていただろうか。


結婚の話が出て、彼氏のタケルを親に紹介した。
その後やっと、タケルの両親に紹介された。
どちらも私がお膳立てをして、お菓子も私が選んで私が買った。
付き合ってくれたヒトミが不満そうに呟いた。

ヒ:「なんか、ネロが一人で全部してるのって、なんか納得できない」

私:「タケルは配属決まったばかりで忙しいから。つき合わせてごめんね」

ヒ:「ううん! 全然気にしなくていいよ!」

私:「ありがとう。アイスおごるよ」

ヒ:「まじでー♪」

ヒトミはよく相談に乗ってくれる。
私が不満に思っていることはヒトミにも不満らしく、
ヒトミに説明しながら自分に言い聞かせていた。
正直おもしろい話では無いだろうが、ヒトミは嫌な顔せずいつも付き合ってくれた。
そんなヒトミに救われていた。

ヒ:「ネロは一人でがんばって偉いよ。偉すぎる!彼氏甘えすぎじゃない?」

私:「でも仕事忙しいの解るしね。うん・・・・・・でもちょっと疲れてきてさ。
   結婚してもこんな頼られっぱなしが続くのかなって思ったらちょっときついね。
   これがマリッジ・ブルーってやつかな」

二人で苦笑いする。

ヒ:「ねぇ、なんで彼氏と結婚しようと思ったの?」

私:「・・・・・・あのね、ハニーと付き合ってる時は一番楽しかったの」

ヒ:「うん?」

私:「今の彼氏と付き合ってる時は一番楽なの。だからかな」

タケルは優しい。
私がやりたいと言えば大抵つきあってくれ、体調が悪ければ大げさなくらい心配してくれる。
5年も付き合うと嗜好も似てきてお互い無理なく一緒にいれた。
我が侭が出せる分、家族の前以上にくつろげた。

ヒ:「ふ~ん」

ヒトミも結婚の約束をした元彼がいた。だから何となく解ってくれたらしい。
ヒトミとハニーは高校時代のクラスメイトで、私達が付き合っていたのも知っている。

私:「ハニーは元気?」

ヒ:「あいかわらずよ~。この前も飲みに行ってさ・・・・・・」

ハニーの近況が聞けるのは嬉しいけれど、複雑な気分になる。
綺麗な別れ方ではなかったから。

彼氏と結婚の話が出てからというもの、昔の付き合った恋人達を思い返す事が多くなった。
元気にしてるかな?
もう結婚したかな?
とは思っても、会いたいとは思わなかった。

ハニーを除いては・・・・・・

けれど、ヒトミにお願いするわけにもいかなかった。
私達の別れにはヒトミも関わっていたから。
ヒトミにどんな顔をされるか怖かった。
はじめに (復活愛0)
というわけで、ハニーとのなれそめをポチポチ書こうかなと。
読んで色々思うところありましょうが、
もう過去の話なので小説読むみたく楽しんで頂ければと思います。
まだ生傷な部分もあるので、途中で止まっちゃったら察してやって下さい。


簡単に人物紹介。(当時のスペック)

ネロ(♀)・・・・・・・私
タケル(♂)・・・・・結婚を前提に付き合っている彼氏。5年目。
ハニー(♀)・・・・・元カノ。10年近く前に別れてから音信不通。
ヒトミ(♀)・・・・・・ネロ、ハニー共通の唯一の友人。
完全犯罪
朝、通勤電車に揺られていると一通のメールが届いた。

『○○駅でお昼頃に殺害予告が掲示板に出たって。ガセネタと思うけど一応知らせとく』

そこ、会社の最寄り駅。

っていうか、今まさに向かっている駅。

ガセネタでしょーねー。

最近多いですねー。

ネタ代わりに夜勤明けのハニーにメールした。

ハ:『今日は絶対会社から出たらダメ!!』

あれ? 
予想と反応が違うよ?
そこは『また? 多いねー』と笑い飛ばすトコロじゃないの?

私:『お昼に銀行行く予定なんだけど』

ハ:『ダメ。絶対に会社から出るな』

私:『帰れないよ?』

メールを送信して電車を降りる。
改札をくぐるといつもはいない制服姿の警官が仁王立ちしていた。
駅の出入り口にもいる。
物々しさに少し怖くなった。
しかし警察官と警備員はぱっと見区別がつけづらい。
ほとんどの人は気にした様子もなく足早に駅を出て行く。

さりげない非日常に誰も気づいていない。

その時、再び携帯が鳴った。

ハ:『警察の近く歩いて気をつけて帰れ。
   それか親に迎えに来てもらえ。
   自分が迎えにいってもいい』

いや、夜勤のハニーに迎えに来てもらうわけにはいきませんよ。

私:『大丈夫。気をつけるから。そんなに心配?』

ハ:『当たり前!!ネロが死んだら生きていけん』

私:『大げさだな(笑)大丈夫。ハニー残して死んだりしないから』

ハ:『うん。とにかく絶対会社出るなよ』

私:『は~い』



とか言いながら、お昼休みに銀行へ行ったワタクシ。
いつもと変わらない日常。
平和そのもの。
やっぱりガセネタだったんだな~

その時、事件は起きた。

私:「いたっ!」

激痛が走る。

視線を下ろすと右足の親指の爪が半分剥げていた。

私は

自分の左足のかかとに、

自分の右足で躓いて、

みごとに右足の親指の爪を割った。

誰も悪くない。
誰も関わっていない。
誰も気づいていない。
私一人が行った。

これぞ完全犯罪。


なんか、ハニーに怒られた気分になった・・・・・・
最後の夜 (完結)
コンビニから帰ってきた私たちはテーブルにつまみを広げた。
私がやっと梅酒を飲み干すと、ハニーは4本目のビールを開けていた。

私:「ねぇ、そんなに飲んで荷造りできるの?」

ハ:「もうだるくない?」

そうくると思った・・・・・・

ハ:「ゆっくりできる最後の夜だしさ、今日は飲もうぜ!」

私にカクテルの缶を差し出して笑う。

私:「・・・・・・そうだね。明日起きてからしようか」

ハ:「うん!」

嬉しそうに頷くとハニーがキャップを開けてくれた。

ハ:「たまってるDVD見ようか」

ハニーの言葉で場所をベッドに移し、酒片手にドラマ鑑賞となった。
しかし元来酒に弱いワタクシ。
ベッドに入ると眠くなってきた。
けれど続きが気になる。
しかも最後の夜だし、
もっと堪能したいし、
せっかくまったりできるんだし・・・・・・



違和感に目を覚ました。
辺りは真っ暗で、テレビも消えている。
背中が熱い。

私:「んっ・・・・・・」

ハ:「あ、起こした?」

耳元でハニーの声がした。
振り返ろうと体をねじると肩越しに唇を塞がれた。
背中が熱いのはハニーが抱きしめているからで、
違和感があるのはハニーが胸を触っているからで、
最後の夜は、
熱い夜になった。



再び目を覚ますと、辺りはすっかり明るくなっていた。
携帯で時間を確認するとまだ7時過ぎ。
休みの日でも定時に目覚めるのは勤め人のサガか。
振り返るとハニーがあどけない顔で寝ている。
私はその首元に擦り寄ると、
暖かい両腕がしっかりと受け止めてくれた。


次に目覚めたのは10時も回ってから。
もう寝れない。
というより、いい加減荷造りをしなければヤバい。
ハニーはというとあいかわらずぐっすり寝ている。

当初の予定通り、

一人で荷造りをする私がいた。


1週間
1日ってこんなに長かったっけ?

期間限定二人暮らしが終了しての感想。
おそろしく一日が長い。
やっと1週間経ったって感じがする。

二人でいる時はあんなに時間が経つのが早かったのに。

まぁ、上げ膳据え膳で実家でダラダラ過ごしているせいかもしれないが。
食器も洗わなくていいし、
汚れ物も洗濯機に入れておけばいいし、
買出しも行かなくていいし、
送り迎えもあるし・・・・・・

なのに、ハニーとの二人暮らしに戻りたい。

実家の方が明らかに待遇良いのにな。
お菓子食べながらゲーム三昧だし。
音楽聴きながら読書三昧だし。
テレビ見ながらゴロ寝三昧だし。

なのに、ハニーとの二人暮らしに戻りたい。

会えないのが寂しいってのもあるが、

ハニーが寂しがっている時に傍にいれないのが辛い。

だって、

ハニーはすごい寂しがりだから。

きっと、うさぎより寂しがりだから。
最後の夜 (その4)
ハ:「あ、ビールが無い」

私:「飲む予定無かったもんね~。コンビニ行ってこようか?」

ハ:「いいよ。自分で行く」

私:「酔いちくれが何を言うか」

この時すでにハニーはビールの500ml缶を2本飲み干していた。
私は250mlの梅酒がまだ半分以上残っている。

ハ:「これぐらいで酔わないって。ネロじゃないんだから」

私:「だって夜道の一人歩きは危ないってば」

ハ:「こっちは大丈夫。ネロの方が危ない」

私:「近いから大丈夫だよ」

ハ:「・・・・・・じゃあ、一緒に行こうか?」

私:「うん!」

こうしてハニーと夜の散歩に出かけた。
満月が煌々とアスファルトを照らし、外は思った以上に明るい。
夜風が火照った体に気持ちいい。
夜中に散歩なんて、二人暮らしして初めての週末に居酒屋に行って以来だ。

ハ:「こら、こっちおいで」

道路の真ん中をぶらぶら歩いていた私にハニーが声をかける。
素直にそばにかけよると、手を握られた。
ほてった大きな手にすっぽり包まれると安心する。
嬉しいのと、なんとなく気恥ずかしいのとで繋いだ手をぶんぶん振ってしまう。

ハ:「ネロはお子ちゃまでちゅね~」

ハニーが意地悪い笑顔で見下ろしてくる。

私:「年下に言われたくありません!」

ハ:「そうだった。3ヶ月おばさんだったね」

私:「離しやがれ」

何とか手を剥がそうとすると、ハニーはさらに手を硬く握って腰を抱き寄せてきた。

ハ:「ウソウソ。すぐ怒る」

私:「怒らせてるのは誰?」

ハ:「えー? 誰かなー?」

わざとらしくキョロキョロして見せるハニー。
私が離れようとしたのを察したのか、すぐに再び腰を取られる。

ハ:「ごめんて! そんな怒るなよ」

私:「怒ってません」

ハ:「アイスも買おうか? ネロの好きなピノ」

私:「・・・・・・堅あげがいい」

ハ:「よし、買ってあげよう」

わざと乱雑に頭を撫でられる。
ごまかしたつもりだろうか。
あいかわらず下手だが、今夜はごまかされてやろう。
コンビニの派手な明かりが見えてきて、私はちょっとだけ寂しくなった。
最後の夜 (その3)
ハ:「はい、体調がちょっと・・・・・はい、すみません」

携帯をたたむ音がする。

ハ:「休みだーーー!!」

両手を突き上げてハニーが戻ってきた。

ハ:「よし、飲むぞ!」

ウキウキと冷蔵庫から500ML缶を取り出してくる。

ハ:「ネロは梅酒?」

私:「ちょっと待った。荷造りは?」

ハ:「飲んでからじゃダメ?」

テーブルに缶を二つ並べてこちらの顔を覗く。

私:「・・・・・・いいよ。飲みながらしようか」

ハ:「うん!」

プルタブを起こすと炭酸の弾ける小気味良い音が響いた。
ハニーから梅酒の缶を受け取り、掲げる。

ハ:「じゃ、・・・・・・とりあえず乾杯?」

私:「何に? 二人暮らし終了に乾杯?」

ハ:「う~~ん」

私:「じゃあ、新しい門出に乾杯」

ハ:「乾杯!!」

ガシャンと缶をぶつけ、一口あおる。

ハ:「あー、美味い! 皆が仕事してると思うとさらに美味い!!」

さっきまで悩んでいたのが嘘のように晴れ晴れとした笑顔だ。

ハ:「牛スジ食っていい?」

私:「いいよ」

ハ:「無くなっちゃうけど、いい?」

私:「いいよ(笑)。美味しい?」

ハ:「美味い!」

明日の朝ごはんのつもりだったけど、まぁ、いいか。
こうして思いもかけず、最後の夜は賑やかな二人の夜になった。
最後の夜 (その2)
カルボナーラを作っている間、ハニーはずっと傍にいた。
煙草を吸ったり、汚れ物を洗ったり。

ハ:「邪魔?」

私:「全然」

むしろ嬉しい。
そうしてできたカルボナーラは、しかし物足りなかった・・・・・・
だって、生クリーム買い忘れて、
新調した平麺のパスタは塩気があるけどハニーの口には合わず、
なんだかグダグダな夕食だった。
良かったと言えば、

ハ:「牛すじ美味い! 今までで一番美味いよ!」

私:「本当? 良かった」

時間足りなくて煮込みも浅いし味も薄いんだけどな~
実は薄味の方がすきなのか?
最後の日にそんな発見をしたり。
その後二人で食器を洗ってベッドに横になった。
ハニーに腕枕されたまま天井を仰ぐ。
白い天井がやけに高く感じた。

私:「・・・・・・なんか、静かだね」

ハ:「うん・・・・・・」

ここは住宅街で、両隣には住人もいて、道路を通る車のエンジン音も聞こえるのに、

静かだった。

お互い何も話さないまま時間だけが過ぎていく。

ハ:「あ~、もうこんな時間か」

ハニーが体を起こした。
時計の針は9時を回っている。準備をしなければ間に合わない。
しかしハニーはベッドに腰掛けたままうなだれている。

私:「どうしたの? お腹痛い?」

ハニーはゆっくりとこちらに頭をめぐらせた。

ハ:「今日、休んで欲しい?」

私:「は?」

ハ:「いや、前から思ってたんだけど今日休もうかなって。
   でも稼がないといけないし。どうしようかなって思ってて。
   ネロは休んで欲しい?」

そんな事聞くまでもなく分かってるだろう!

私:「一緒にいたいけど、・・・・・・後ろめたくなるなら仕事行った方がいいよ」

同僚に悪いなと思いながら過ごしても意味は無い。
それならいっそ仕事に励んで二人暮らし代を稼いできてくれ。
ハニーは頭を抱えた。

ハ:「ズル休みする人は嫌いだよね? ちゃんと働いた方が好きだよね?」

私:「いっつもサボる人は嫌いだけど、たまに息抜きはいいんじゃない?」

ハ:「・・・・・・やっぱり行く!」

ハニーが勢いよく立ち上がった。
振り返った途端、再び力無くベッドに座り込み私の膝に顔をうずめる。

ハ:「なんでそんな寂しそうな顔する・・・・・・」

私:「だって寂しいもの」

ハ:「あ~、も~、・・・・・・でもやっぱり、う~ん」

ハニーはいつまでも私の膝をまさぐりながら唸っていた。
最後の夜 (その1)
仕事が終わって携帯を確認する。
着信もメールも無し。
私は小さくため息を吐いた。
最後の日だし雨も降っているから、もしかしたら会社まで迎えに来ているかな~
とか甘い期待をしていたがあっさり砕かれた。
傘をさして会社を出る。
電車に揺られて最寄り駅で下りた。
そこにもハニーの車は無い。

・・・・・・最後の最後がコレか。

仕方ない、ハニーも片づけで忙しかったんだろう。
今夜は夜勤だし、睡眠は大切だ。
もしかして眠くて目覚ましに気づかったのかもしれない。

でも、寂しい。

坂道を上り、丘の上に建つマンションの鍵を開けて入る。
室内は真っ暗。
こもった熱気が一気に押し寄せてきた。
こんなに暑いのにクーラーすら入れていない。
ということは爆睡中ですね?
起こさないようにそっと部屋に入り、着替える。
ざっと見、ハニーは自分の衣類は片付けたようだがその他は一切手付かず。
しかも寝ているから今から私が片付けるわけにもいかない。
どーするよ。

ハ:「・・・・・・ん、おかえり」

ベッドから手を伸びてきて、いつものように布団の中へ引き摺りこまれる。

私:「ただいま。ご飯何時からにしようか?」

抱きしめてくるハニーの耳元にたずねる。

ハ:「・・・・・・まだいい」

私:「眠い?」

ハ:「ずっと色々してて寝たの3時くらいだから・・・・・・」

私:「そうなんだ、頑張ったね。目覚ましもかけてなかったの?」

ハ:「うん。寝るの遅くなったから」

ほお。
迎えに来る気は欠片もなかったってぇわけですな?

まぁ、仕方ない。
私の分も洗濯してくれて、荷物も片付けてたらそりゃ寝る時間も無くなるだろう。

私:「じゃあもう少し寝てる?」

ハ:「いや、もう寝られないと思うから・・・・・・」

私:「じゃあ先にご飯食べてからまったりする?」

ハ:「うん。でももうちょっとこうしてる・・・・・・」

私の胸に顔を埋めるハニーの頭を撫でながら私は思った。

あぁ、

今日で最後なんだな、と――
すき焼き(割り下)
【材料】
牛肉:250g
白菜:1/4玉
えのき:1パック
糸こんにゃく(白):1袋
焼き豆腐:1丁
うどん:1玉

卵(つけ用):2コ


【割り下】
水:1カップ
醤油:大さじ5
砂糖:大さじ4
みりん:大さじ4
料理酒:大さじ4

1.フライパンに牛脂で油を敷き、牛肉を軽く焼く。
2.肉に軽く色がついたら野菜を並べて割り下を注ぐ。
3.白菜に色が染込むまでよく煮込んで完成。
4.食後or翌朝にうどんを入れてよく煮込んでうどんすきにするも良し。

ハニーは白菜もエノキもクタクタが好き。
シラタキより白い糸こんにゃく派。


あまった割り下で牛とじを作る。
肉を焼いた鍋に割り下を入れ、玉ねぎと一緒に煮込む。
よく煮込んだら溶いた卵を回し入れ、半熟状になったら完成。
ハニーのわがまま
いよいよ今週の金曜日にマンションを出る。
家具家電付きの物件とはいえ、3ヶ月間で結構荷物は増えている。
日中は仕事している私は夜帰ってから荷物整理となる。
もちろん食器や料理器具も片付けなければならない。
最終日にまで荷造りをしたくないので、今週は料理を作らないつもりでいた。

私:「明日はうどん食べて、次の日はファミレス行って、最終日は焼肉でも食べに行こうか?」

私の何気ない言葉に、ハニーが顔を上げた。
タレ目を見開き、口まで半開きになっている。
どうした?
その顔にこっちが驚く。

ハ:「家がいい!」

私:「は?」

ハ:「もう今週しかないんだよ? 家で食べたい!」

だって、
料理を作るには材料も買わなくちゃいけないんだよ?
調理するとゴミだって出るんだよ?
台所も汚れちゃうんだよ?
食器は割れないように新聞に包まなくちゃいけないんだよ?
ダンボールに直すにしてもちゃんと順番ってもんがあるんだよ?
しかもハニーは夜勤だから私が一人でしなくちゃいけないんだよ?

言いたい事は色々あったが、口から出たのは違うセリフだった。

私:「・・・・・・そうだね。もう今週しか手料理食べれないもんね」

ハ:「そうさ!」

私:「私が作ったご飯が食べたいの?」

ハ:「食べたい!」

私:「何が食べたい?」

ハ:「カルボナーラ!」

私:「いや、たった今食べたばっかりじゃん」

ハ:「最後の夜はカルボナーラがいい!」

私:「・・・・・・わかった。カルボナーラにしようね」

ハ:「うん!」

そんな満面の笑顔で頷くなよ。
思わずトマトソースにしたくなるじゃないか。


そんなに私の手料理を気に入ってくれてるとは思わなかった。
味についてはあまり感想を言ってくれないから。
たまに美味しいとは言ってくれるけど。
黙って塩かけたりマヨネーズかけたりされるけど。

最後の夜は徹夜かな。
幸せ太り?
二人暮らしを始めてから、

太った。

間違えた。

太り続けている。

体重が増えたというより、ウエストが無くなったorz

ハ:「幸せ太りだね♪」

そうだね、プロテインだね。
って、違う!
幸せだけど幸せ太りではないのよ!!
言いたいけど、言えない。
そんなニッコニッコしてるハニーには言えない。

『犯人はお前だ!』

なんて・・・・・・

【検証①】
ハニーはある日小枝とポッキーの小袋を持って帰ってきた。

ハ:「あげる」

私:「ありがとう。どうしたの?」

ハ:「会社の休憩でもらった」

私:「そうなんだ。小枝とかチョコレート系好きだから嬉しいv」

翌日から毎日お菓子を持って帰ってくれるようになりました。
しかし、私もそんなにお菓子は食べない。
なので溜まっていくお菓子たち。
でもハニーの好意を無にしているようで心苦しい。
んで、料理しながらとかちょこちょこ食べるようになりました。


【検証②】
ハニーの勤務には昼過ぎ出勤深夜帰宅という中途半端なものがある。

ハ:「帰ってくるの待たないで食べていいよ」

ではお言葉に甘えていつもの時間に夕食を取った。
でも一人だからつまらないし、軽いもので済ませた。
深夜ハニーが帰ってきて、食事の準備をする。

ハ:「ご飯食べた?」

私:「うん。軽くね」

ハ:「そっか。じゃあご飯作らなくていいよ」

私:「え?何で?」

ハ:「テキトーにつまむよ。ビール飲むし」

お腹空いてないわけないんだよ。
帰る途中のメールで「肉食いたい」って入ってきたし。

私:「・・・・・・私も小腹空いたから一緒に食べようか?」

ハ:「じゃあ食う」

笑顔でテーブルにつくハニー。

私:「一人で食べるの寂しいよね」

ハ:「う~ん、ちょっとね。でも先に食べてていいよ」

私:「一緒に食べる方が美味しいね」

ハ:「うん」

やっぱり、一人だと食べる気しないだけか・・・・・・

ハ:「後一人で片付けておくから、ネロは先に寝てな」

食べてすぐ寝たら太る!
食い下がる私にハニーは頑として譲らず、結局形だけ布団に入る私。
で、すぐ爆睡する私。(だってとっくに深夜回ってます!)


【検証③】
ハニーは濃い味付けが大好きです。
マヨネーズも大好きです。
何にでもぶっかけます(涙)


そりゃ太るって、私!
まあ、運動不足が一番の原因なんだけどね。
こっちを見るな、前を向け
私は嫌煙家である。
生まれて一度も煙草を吸ったことが無い。
そんな私に気を使い、ハニーは家では換気扇の下まで行って煙草を吸う。
車の中では窓を半分くらい開けて吸う。
それでも煙は外気に押されて私の方へ流れてくるのだが、
嫌ではない。


ハンドルを握り、

人差し指と中指の間に軽く挟んだ煙草を、

少し目を細めて、

やや左端に咥えて、吸う。

開いた親指と薬指が、

顎のラインとゆるく重なっている。


かっこいい。


普段ハニーはコンタクトを付けているのだが、
黒縁のアクリルチックな眼鏡をかけた顔だとなおよろし。
メガネ属性は無いはずなのだが。
思わず見とれてしまう。
私の熱い視線に気づいたのか、ハニーが振り向く。

ハ:「どうした?」

私:「別に」

ハニーの華奢な顎をつかんで正面を向かせる。

ハ:「なに? ブサイクな顔見せるな?」

ハニーが笑う。
綺麗な顔して何をおっしゃいますやら。

私:「煙草吸ってる横顔が好きなの」

車を運転してくれてる時くらいしか横顔はおがめない。

ハ:「そうか。やっぱり正面は駄目か~」

私:「正面も好きだよ! なんでそんな事言うの」

ハ:「横顔  好きって言ったじゃん」

意地悪く横目で見る。

私:「正面も横顔も後ろも全部好きだってば」

ハ:「後ろって、やっぱり顔はダメなんだ!」

わざと大声を出して悲観してみせる。

私:「もう!!」

綺麗な横顔に拳でぐりぐりしてやった。
ハニーが笑う。

笑顔で優しく崩れた顔も好き。
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