ジョグナ・アガルタ

婚約者(♂)と別れ、元カノ(♀)と復縁しました。
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何度でもアナタに恋をする
私:「ただいまー」

リビングに入った私を寝ぼけ眼のハニーが出迎える。

ハ:「おかえりー」

私:「あれ? まだ寝てたの?」

今日も派手に寝癖がついて、まるでパンク少年のようだ。

あれ?

私は小さな違和感を憶えた。

ハ:「うん……風呂入ってくる」

そのまま私の横を通り過ぎてバスルームへ消える。
その間に私は夕食の準備をする。
肉を炒めて野菜スープを作って、あ、ご飯が炊けた。
とかやっているとハニーが湯気を上げながらバスルームから出てきた。

ハ:「ご飯できた?」

私:「もう少し」

ハ:「じゃあ先に髪乾かしてくる」

私:「はーい」

ハニーの後姿を見送る。

あれれ?

膨らんだ違和感は小さな実になった。
ドライヤーの送風音が聞こえている間にテーブルにお皿を並べ、ご飯をよそう。
そうして私は扉の前でハニーを待ち構えた。
無防備に扉から出てきたハニーが一瞬のけぞる。

ハ:「うおっ。 どうした、仁王立ちして?」

私:「髪切った?」

ハ:「あぁ。うん、切ったよ」

乾かすと一目瞭然。
思わず私は目をそらした。

ハ:「なんで目そらすの? 変?」

私:「変じゃない。ご飯食べよう」

ハ:「なんでこっち見ないの。笑いこらえてる?」

私:「こらえてない! ご飯ご飯」

ハ:「やっぱりおかしいんだ……」

寂しそうにうつむく大根役者を、思わず振り返ってしまう。

私:「かっこいいよ!」

ハ:「嘘だ」

私:「かっこいいってば」

ハ:「じゃあなんで目そらした」









私:「照れただけさ」







ハ:「はい?」

私:「かっこいいから照れたっつっとんじゃ!!」

短くカットされた髪はシャープな輪郭を際立たせ、
軽く目にかかった前髪が表情を物憂げに見せる。
落ち着いた茶色が白い肌とあいまって西欧の少年ぽく、
青年よりの中性的な雰囲気がシャンプーの匂いと共に私を襲った。

髪を切っただけなのに、

ちょっと髪を切っただけなのに、

目を離せない。

でも恥ずかしくて目を合わせられない。

ハ:「そんなの知ってる」

ハニーは鼻で笑うと軽い足取りでテーブルについた。
調子にのるのが分かってるから言いたくなかったんじゃい!
食事中も、私は隣に座るハニーを見ないように頑張った。

ハ:「ねぇ、マヨネーズ取って」

私:「はい」

渡す時も正面を見たまま。

ハ:「ティッシュ取って」

私:「はい」

ハ:「やっぱり肉は美味いねー」

私:「そうだねー」

ハ:「……なんでこっちを見ない」

私:「見てるさー」(正面向いたまま)

ハ:「やっぱりブサイクだから見たくないんだ……」

ハニーの沈んだ声(大根)。

私:「そうじゃないってば!」

また騙されてハニーを振り返る私。
そこにあるのは、ハニーの勝ち誇った満面の笑顔。

ハ:「じゃあ何?」

私:「……かっ……」

ハ:「ん?」

私:「かっこいいです!!」

ハ:「んむ!」

衝動の赴くまま、

笑顔で肉を食むハニーの横っ面を拳でグリグリしたのは、

愛しい顔にふれたかっただけで、






けっしてムカついたからではありません。
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