タウンゼント家では毎年年末年始は家族で迎える決まりになっている。
なので今年もハニーを家に残し一人実家へ戻った。
「クロネコもいるから平気だよ」
とハニーは言うが後ろめたさは拭えない。
けれど実家に帰らないという選択肢は無い。
いつものように新年を迎え、
いつものように実家の近くまでハニーが車で迎えにきてくれる。
それが私のお正月。
家への帰り道、
ハニーが鰤のお刺身を食べたいとのことでスーパーへ向かうも元日のため閉まっていた。
「確か山側にもお店あったよね? 行っていい?」
「もちろん」
元日の深夜、静まりかえった住宅街は灯りも少ない。
何度も通った道が見知らぬ土地に見える。
「あれ? ここを左だよね?」
勘に任せてウィンカーをあげるハニー。
小首を傾げ暗闇に目をこらす私。
唐突に、民家の先で赤く点滅する信号が強く輝きを放った。
「待って! もうちょっと真っすぐ行って」
「うおう、う、うん」
ハニーが切ろうとしていたハンドルを慌てて戻した。
「急にごめんね」
「いや、大丈夫……あ、ホントだ。この道分かる」
点滅信号を曲がると見覚えのある大きな道に出た。
ハニーから安堵の笑みがこぼれる。
「さすがネロ。やっぱりネロがいないとね」
「でしょ?
ハニーが人生に迷っても私が導いてあげるから安心するよろし」
「おう!」
何かがストンと腑に落ちた。
ああ、そういうことか。
そういうことなんだ。
まあ、
ハニーと二人なら知らない道をぐるぐるドライブする人生も悪くないけどね
なので今年もハニーを家に残し一人実家へ戻った。
「クロネコもいるから平気だよ」
とハニーは言うが後ろめたさは拭えない。
けれど実家に帰らないという選択肢は無い。
いつものように新年を迎え、
いつものように実家の近くまでハニーが車で迎えにきてくれる。
それが私のお正月。
家への帰り道、
ハニーが鰤のお刺身を食べたいとのことでスーパーへ向かうも元日のため閉まっていた。
「確か山側にもお店あったよね? 行っていい?」
「もちろん」
元日の深夜、静まりかえった住宅街は灯りも少ない。
何度も通った道が見知らぬ土地に見える。
「あれ? ここを左だよね?」
勘に任せてウィンカーをあげるハニー。
小首を傾げ暗闇に目をこらす私。
唐突に、民家の先で赤く点滅する信号が強く輝きを放った。
「待って! もうちょっと真っすぐ行って」
「うおう、う、うん」
ハニーが切ろうとしていたハンドルを慌てて戻した。
「急にごめんね」
「いや、大丈夫……あ、ホントだ。この道分かる」
点滅信号を曲がると見覚えのある大きな道に出た。
ハニーから安堵の笑みがこぼれる。
「さすがネロ。やっぱりネロがいないとね」
「でしょ?
ハニーが人生に迷っても私が導いてあげるから安心するよろし」
「おう!」
何かがストンと腑に落ちた。
ああ、そういうことか。
そういうことなんだ。
まあ、
ハニーと二人なら知らない道をぐるぐるドライブする人生も悪くないけどね
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